エンジニアによる資産運用の軌跡と備忘録

資産運用をする過程で思ったこと感じたことなどつらつら書き残すブログ。

上昇率上位5日を逃すとリターンが激減ってやつを自分で計算してみた。

この手のモノは自分の手を動かして計算すると理解が深まる。

slimオルカンのサイトに出ていた「ファンド関連のお知らせ」に株価が最も上昇した5日を除いた場合にどんなパフォーマンスがするのか出ており、それについて書いたのが以下の記事。

敗者のゲームにも出ている有名な話。そういうものなんだな、の理解に留まっているので実際に計算してみました。

以前もお世話(?)になった三井住友TAMのDC外国株式インデックスLを使って試算。設定日が2003年1月15日で2024年8月2日までの21年6か月ちょっとの期間があればちょうどよい。リーマンショックもはさんでいるし。

使用したデータの出典:https://www.smtam.jp/fund/detail/_id_110020/

上記サイトから基準価額をcsvでダウンロードできるので、まずはそれをダウンロードして日々の騰落率を計算してひとまず上位10日をフィルタ。結果はこんな感じ。時期的にリーマンショックとコロナショックの頃に集中しているってことが分かります。1日に10%以上も上がった日があったとは。

試算の前提条件、計算方法は以下。

・ファンドの設定日に買い付けるのみ。
・追加投資なし。
・累計当落率を計算。
・前記の上昇した日を逃す場合はその日を0%とする。

上昇した日を逃すことを0%に置くというのは、前日終値で売却して該当する日は何もせず翌日にまた買い付ける、ということと同義。計算を簡単にするために税金は除外。

上位5日を逃した場合、上位10日を逃がした場合の結果はこちら。

ファンド設定日を1とするとホールドし続けると8.453倍になるのに対し、5日除外で4.012倍、10日除外で3.523倍たった5日を逃すことで最終的なリターンが半分以下になっているというすごい結果に。一方で5日除外も10日除外も大して変わらない。

さらに上位の1,2,3,4日を逃した場合にどうなるかを試算。自分で計算すると自由にいじくりまわせるのがよい。

たった1日違いでこれだけの差が出る。ファンド設定日を1とした場合の最終日の値は以下。カッコ内の数値は除外なしの最終値を1.000と置いた時の値。つまり比率。

・除外なし:8.453(1.000)
・上位1日除外:7.387(0.874)
・上位2日除外:6.477(0.766)
・上位3日除外:5.872(0.695)
・上位4日除外:5.356(0.634)
・上位5日除外:4.012(0.475)
・上位10日除外:3.523(0.417)

対象としている期間の日数は5,282日。そのうちのたった数日を逃した時の結果は上記のように大きく変わる。もちろんその数日の上昇率がとてつもなく大きいってことでもあるのは確か。

問題はこの上昇が起きる日がいつなのか分からないってこと。これが敗者のゲームに書かれている稲妻が瞬く瞬間なわけだと理解。分からないから市場に居続けるってのが大事なわけだと腹落ちする。

今は以前のような追加投資こそしていないけど資産の8割程度をリスク資産として保有しているのでいつ稲妻が瞬いても大丈夫。リスク許容度の範囲に収まっているってのが大前提。

この試算は面白い。上昇率が顕著だったリーマンショックの期間を除外したファンドなどで確認するのも面白そうだ。今回は先進国株式のファンドを使ったけど、TOPIXや新興国ファンドなどで試すのも面白そう。

もうちょいいじくりまわしてみるか。

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